
またまた話しが前後するが、ファラオラリーの4日目にとんだ
事件を起こしてしまった。
ここで本題に入る前にGPS&イリトラックのシステムについて
説明をしておこう。
<GPS>
FIMの世界選手権は今年からGPSの全コース使用を禁止して
おり、レンタルされたGPSはコース上に設定されたGPSポイント
を中心に半径3キロ以内に入った時のみ作動するようになっている。
そのポイント座標はあらかじめGPSに入力されているのだが
それを事前に使用者が見ることはできず、毎日夜のグリーフィング
で明日のコースの4桁の入力コードが告知され、それをGPSに
インプットすることで使用することができる。
<イリトラック>
GPSと連動しており、参加車両がいまどこにいるかを主催者側
の監視PCに位置表示させるための装置。
これにより主催者は参加全車両の位置を把握でき、
またネット上でも公開しているので世界中の人が誰が
今どこを走っているかリアルタイムに見て取れるようになっている。
さて本題に入るが4日目にそのGPSのおかげでとんでもないことに
なってしまった。
この日はスタートしていきなりCAP(方位)走行だった。
スタート直後のCAPは150°。
ぼくはCAPリピータ(デジタルコンパス)で方位を確認し
まずは150°方向に走り出した。
すると数台の660ラリーがぼくの左方向に凄い勢いで走り去っていった。
「あれ、あっちなの?」
と悩んでいるとまた数台のマシンがその方角に走っていく。
ためしにそちらの方に走ってみると確かにそこにははっきりとピスト(轍)
がありいかにもここがオンコースに見えた。
ならばと思いそのピストを走ることにしたのだがCAPリピータは130°を
表示している。
「おかしいなあ、20°違うんだけどなあ」
疑問に思いスピードを落とすとまたぼくを抜いて走りさるマシンがいる。
「やっぱりみんなこっちに行くなぁ。じゃああっているのだろう。」
としばらく走り続けたが約15キロ地点であるはずのチェックポイントが
見あたらない。
この辺からやはりおかしいぞ、とてもオンコースだとは思えないと
思っていると先の砂丘の上で2台のマシンが止まっていた。
ぼくがそこに着くとスペイン人とイタリア人のライダーが
「おまえコースどこかわかるか?どうもここではないようだ。」
と聞いてきた。
なんだよ。やっぱり間違っていたのか。
さてどうするかなと悩んでいたら、イタリア人がたぶんこっちの方角に行けば
CP1にでられるから一緒に行こうと言い右方向を指差した。
確かにもともと20°左にずれていたしCP1はさらに右方向に移動した場所
にあるはずなので、そいつが言っていることにも一利がある。
おまえはどうするとスペイン人に聞くとそいつは「よく分からないから俺は戻ると言う。
するとイタリア人はじゃあお前だけ一緒に行こうと僕に言うので
そいつの後を追って走ることにした。
しばらく走ると大きなピストにでた。
どうやら本コースに出たようだ。
横を見るとイタリア人がほらみろ俺の言った通りだ。やったな!という感じ
でぼくに親指を立てガッツポーズを取ると全開走行で走り去っていった。
はいはいどうぞお先に、でも本当にこれか?
今一確証がないまま走っていると、さっきのイタリア人が凄い勢いで戻ってきて手を振って違う違うとやっている。
じゃあどこなんだよ?
しばらくそのイタリア人と右往左往したがもう訳が分からなくなってしまった。
こうなったら一度スタート地点近くまで戻ろうと思い、イタリア人に言うと
俺は戻らずルートを探すと言うのでそこで別れた。
しばらく戻るつもりで走ってみたがICOを見るとすでに100キロほど走っている
このままだとうまく戻れても給油ポイントまではガスが持ちそうもない。
そこで思いついたのがレース前に聞いていたGPSのマスク解除コードのことだ,これは本来全コースのナビ表示はされないGPSをこの解除コードを入れることで全コースのナビ表示がされるということだ、但しこのコードを使うとペナリティ時間が加算されるそうだが、こんなとこでウロウロしてタイムロスするくらいならペナルティ覚悟でさっさとオンコースに出たほうが良いはずだ。
そこでぼくはマスク解除コードと聞いていたコード’5555’を入力してみた。
するといままで表示されていなかったナビがばっちり表示された。
おお、じゃあ後はこいつの指示通りに走ればいいじゃんとGPSとにらめっこ
しながら走りだした。
だか、このことがまさかあんな事件になるとは、この時は夢にも思っていなかった
・・・・・(続く)

